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「春の朝、雨上がりの朝」

朝だ、目が覚める。
とりあえず、コップ一杯の水道水をごくりと飲む。

ベランダに出る。
雨上がりの春の朝。かすみのような「もわもわ」っとした空気。

なんでか、その空気が気持ちいい。
まぶしくなりきれない、お日様の光りが東から射していて、

そこへ、白く、長く、紫煙をくゆらせる。
なんにも考えていない、こういう朝の時間が好きかもしれぬ。

夢をみた。こわい夢だった。
事故を起こして、もう助からないことがわかっているのに、

ひもで堅く、堅く、女房をシャーシにつなぎとめた夢だった。
目が覚めてから、ありえない悪夢だとさとった。

朝だ、今は現実だ。
隣りに女房がやすらかに寝ている。これは本物の現実だ。

たいせつに、たいせつにしなきゃと。
心のなかで思った。

悪夢だったのか、予知夢だったのか、逆夢でいい夢だったのか
わからないけれども、久しぶりの夢だった。

記:とらのこども



by toranokodomo | 2014-04-22 06:42 | 季節のこと、身近な出来事  

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