女が笑うとき(そのココロは!?)

芥川龍之介 「手巾」


という短編がある。そのなかにこういう話しが出てくる。


 


息子を病死させた婦人が息子の大学の先生を訪れる。


そしてつつましく静かに、落ち着いた口調で息子の死を


告げるのである。大学教授は婦人の態度が平静なのに


内心驚きを感じながら話しをしているうちに何かの拍子


で団扇が手をすべって床に落ちた。それを拾おうとして


下を向くと、夫人の膝のうえの手巾を持った手が激しく


震えていた。その手は震えながら手巾を裂かんばかりに


握っている。


 


。。。。婦人は顔でこそ笑っているが、実はさっきから


全身で泣いていたのである。


 


芥川龍之介はその手の震えに、日本の女の悲しみの


表現を見たが、この頃は手もふるえず、ハンカチも握り


しめず、軽やかに笑う人が多いのではないか。


 


泣くべき時に泣かずに笑う。しかしその笑いは、いう


ならば絶望の果ての孤独の笑いとも言うべき笑いなの


ではないか。


 


以上は、「女が笑うとき」 佐藤愛子先生


 


男たるもの、女性には心から笑える場所を提供せねば


ならぬとともに、泣くときには素直に泣けるように、抱擁


する大きさを持たねばならないと思う。


 


記:とらのこども


 


 


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by toranokodomo | 2013-09-25 07:33 | 本の話し  

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