再掲 「中・露の東進、日本の課題」

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中・露の東進、日本の課題

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      宝珠山 昇



基本的補助線 : 世界は、欧米の列強による分割支配・搾取が今も続

いている、との補助線を引いて、眼に入る諸々の事象の一部を見ていま

す。(省略)



米国の基本的戦略 : 米国の基本的戦略は、世界各地域の潜在的覇権

国を競わせて、時期を見計らい、介入して、世界の覇者の立場を維持・

強化することと言えましょう。例えば、(省略)



中国の基本的戦略 : 前世紀の末期から、こうした米国を中心とする

欧米勢力の世界支配に抵抗しているのが、中華人民共和国と見ています。

米中冷戦とも第4次世界大戦とも言えるものです。これが現在の世界の大

きな潮流だと言えましょう。(省略)



軍事、政治、経済、資源、巨大人口、無法行為、などあらゆる力・手段

を、各地域の状況に応じて注ぎ込んでいます。



この戦略の邪魔になるのが、台湾、南西諸島などが自由に使えないこと

です。その対日姿勢には、諸民族が激しく争い、易姓革命を繰り返す中

で養われた非道な国民性を露わにするとともに、特に日清戦争敗北以来

の復讐の怨念をこめている面が否めないと思います。



露国の基本的戦略 : ロシアは復活を狙っています。大西洋、インド

洋、太平洋への安定的交通路等の確保が、変わらない基本的戦略でしょ

う。



今は、-(省略)-東側出口の開発・振興に力点を置いているようです。

この点から北方領土の価値は、太平洋などへの交通路やオホーツク海の

管理の要衝として、きわめて高いものです。加えて、その対日姿勢には

日露戦争敗北以来の復讐の怨念がしみこんでいることを忘れてはならな

いでしょう。



日本の基本的戦略環境 : 日本は、こうした三つの大国の狭間に位置

し、海洋に囲まれ、資源は乏しく、工業や技術で先頭を走って、自由貿

易の振興により、自由民主主義国として、独立・安全・繁栄を確保しよ

うとしています。



しかし、日清・日露戦争の勝利、朝鮮併合、太平洋戦争敗戦、に伴う後

遺症を抱えて、これを克服できないで、喘いでいるように見えます。

(省略)



領土問題等の根本的起因 : 北方領土、竹島、尖閣問題などの根源は、

サンフランシスコ平和条約や日米安全保障条約の運用過程での、日本の

姿勢・対応の弱さにあると考えられます。



北方領土について見ますと、日本は、千島列島や南樺太などを、サンフ

ランシスコ平和条約ー(省略)-において、放棄しています。(省略)



ソ連は、(会議に出席はしたが)サンフランシスコ平和条約に調印して

いませんので、千島列島、南樺太などがソ連に帰属することにはなって

いません。即ち千島列島、南樺太などは、ロシアが不法占拠しているこ

とになります。



竹島問題は、江戸時代初期(1618年)に既に領有権を確立していました

が、1952年1月18日、サンフランシスコ平和条約発効の直前に、韓国の李

承晩大統領がいわゆる「李承晩ライン」を設定し、この中に竹島も含ま

れていたことから始まっています。(省略)



1965年6月日韓基本条約が締結され、国交正常化により、李ラインは廃

止されました。このとき「竹島は棚上げ」との密約がなされたが、その

後、韓国がこれを破り、日本の抗議や提訴を拒否し、現在に至っていま

す。



尖閣諸島は、1885年以降、再三にわたり現地調査ー省略)ー確認の上、

1895年1月14日に現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行って正式に日本

領土に編入したものです。(省略)以上の事実は、日本領土しての尖閣

諸島の地位を明瞭に示しています。



中華人民共和国政府などが、いわゆる歴史的、地理的ないし地質的根拠

等として挙げているものは、いずれも尖閣諸島に対する領有権の主張を

裏付けるに足る国際法上有効な論拠とはいえません。



米国の仲介への期待 : 米国は、ー(省略)-公には中立的立場をとっ

ています。しかし、これらの「火種」を、日本等の動向を自国に有利に

導く材料として、活用することを当然考えるはずです。



「米国は尖閣問題を日中の接近を牽制する材料にしている」とか「領土

問題の顕在化の裏に米国の諜報機関が絡んでいる」などとする噂も、為

政者は心に留めて対応を考えるべきでしょう。



領土問題などを国際司法裁判所で解決しようとする主張は以前からあり、

試みられたこともあります。しかし、日本が提訴するだけでは「負ける

ことが明らかな裁判に応じる国はない」ため、実効のある解決策にはな

りません。



米国は、ヤルタ協定、サンフランシスコ講和条約、日本占領などの主役ー

(省略)-この米国が、日本の提訴に応じて国際司法裁判所で平和的に

解決するよう関係諸国に働きかけるなど、仲介などの労をとれば、これ

らの諸問題は前進できると思います。



米国をこの方向に動かすためには、日本自身が国を守る強い決意を具体

的な行動を以って内外に顕示することが不可欠であると予てから考えて

います。



日本の防衛体制の選択肢 : 日本が、このような中でこれらの後遺症

を治癒し、世界に誇れる数千年の輝かしい伝統を継承した日本を再生す

ることができる安全保障体制の選択肢は、ー(省略)ー残されているの

は、自由主義諸国、特に米国との同盟です。



大多数の国民の願いは、米国への依存度を緩和し、自主・積極外交を展

開し、ならず者(今の日本から見れば中国、北朝鮮、韓国、露国でしょ

う)の恫喝に会っても屈しない物理的にも精神的にも強靭な国を再建す

ることでしょう。



これらを達成するためには、(省略)国防体制を充実する強い覚悟が必

要であると考えています。



日本が非核三原則の撤廃の論議を真剣に行なえば、米、中、欧、露、南

北朝鮮の姿勢は、劇的に変化し、日本をめぐる景色は一変するはずです。

(省略)



米国は、ー(省略)-勢力などの台頭に対応し、自国の負担を軽減する

ため、 ー(省略)ー相応の協力・負担を要請し続けるでしょう。TPPの

推進、太平洋重視戦略の発表、海兵隊のオーストラリア駐留、オスプレ

イ配備などその一環でしょう。



なお、MV-22オスプレイは、回転翼機と垂直離着陸やホバリングの機能と、

固定翼機の速度と航続距離を持ち合わせ、数々の試験飛行などによって

安全性が確認されている航空機です。-(省略)-この安全性に疑念を

呈したり、配備反対行動をしている人々の中には、別の意図を持ってす

る人も沢山いるはずです。



防衛体制改革の主要課題 : (省略)ー憲法改正論議と並行して、現

行憲法下でもできることを着実に実行して、日本国を防衛する決意を内

外に明示することが肝要であると考えます。



 (1)スパイ天国から脱し得る機密保全態勢を整備することです。防

衛・外交政策などには機密情報が欠かせません。(省略)



 (2)要員と装備と訓練の拡充、特に侵略行為に対して反撃できる装

備を整備する必要があります。具体的な検討を専門家に命じるのがよい

でしょう。10年来の防衛費の減少に終止符を打ち、静かに着実に増加さ

せてゆくのが大人の対応でしょう。



 (3)集団的自衛権行使態勢を整備し、米国や東南アジア諸国等との

協力態勢を充実することです。(省略)現在の姿勢では、どこの国とも

真の同盟・互助・信頼関係は築けません。



 (4)拡散を続ける核兵器への対応態勢を充実する必要があります。

少なくとも、非核三原則の見直しを決議すべきだと思います。



 (5)日米防衛協力態勢の充実には、基地の安定的確保は不可欠です。

これが崩れれば、日米安全保障体制も核の傘も崩壊します。

 

 (6)防衛装備品の国産供給体制の向上も欠かせません。これは科学

技術立国の基盤強化、経済の活性化などにも役立つものです。



 (7)自衛隊は実戦経験がないので、これを米軍に学べる態勢を強化

する必要があります。機密情報保全態勢の充実はこのためにも有用です。



感情に流されない原発論議を (省略)



皆さんの賢明な行動に期待 : これらを遂行するためには、自己や選

挙区の利害に敏感で、秘密保全能力に難点がある政治家の主導では限界

があるように見えます。



自己や地域の利害を離れて、国の独立・安全・繁栄を中核価値として働

く、困難な国防・基地行政に専念する人材の育成・充実が必要だと考え

ています。



しかし、どうしたらこれらの目標を達成できるかの方法論については、

皆さんの賢明な行動に期待することのほか、解答を見出せないでいます。



東南アジアでは、「日本に手を出した国は亡ぶ」と信じている人々もい

るそうです。これは、次のようなことを観察した人々の感想なのかもし

れません。



アジア大陸を席巻した元帝国は、-(省略)-鎌倉幕府の日本に敗退し、

それがもとで元帝国は明に亡ぼされています。



明を亡ぼした清国は、(省略)日清戦争で敗れ、それがもとで、日本に

亡命し学んできた孫文などの辛亥革命により滅ぼされています。



ロシアのロマノフ王朝も、(省略)日露戦争を起こして、日本に敗退し、

やがてロシア共産革命で亡んでいます。欧州列強も(省略)。米国も

(省略)



今日日本に降りかかっている困難を、皆さんの力を結集し、これを克服

し、伝統を賢く継承し、日本に手を出した国などを改心させ、自然と共

生し、独立度の高い、安全で、繁栄を続ける日本が再生されることを希

望してやみません。(ほうしゅやま のぼる)



日本郷友連盟 特別顧問



(2012年9月初旬の講演要旨)

全文は、次のアドレスをクリックしてご覧いただけます。

http://www1.r3.rosenet.jp/nb3hoshu/CyuRoTousinNitinoKadai.html


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by toranokodomo | 2014-01-13 13:27 | 日本の歴史  

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