蜂のムサシは死んだのさ~
「イルカに乗った少年」なら絵になるが、「蜂に刺された少年」ならギャグだろう。
でも、繰り返し、繰り返し、蜂に刺される少年というのは実在する。
今日はそんな少年の話しである。
MOMOの実家の庭には、かぼちゃが植えられていた。
ある日、かぼちゃ畑を見ると黄色い花がきれいに咲いている。のどかな庭の風景だ。
その中のひとつに、蜂が入っていた。オシベのまわりを、もそもそと動いている。
ふと思いついて、花を手でつまんでみた。
「ぶーん、ぶーんっ!」と蜂が暴れるけれども、出口が無い。逃げられない。
MOMOは,うれしくて小躍りしたくなった。
なかなか面白い思いつきだったぞ~、と思った。
「ハハハッ!逃げられんだろう。蜂のムサシもこれまで。ハハハッ!」
ところがその瞬間。
「チクッ!」
なんと蜂が、かぼちゃの花びら越しに指を刺したのだ。
「あうっ、痛っ。」 思わず握り締めていた花を放す。
ぶぅーん。
蜂は飛んでいった。
指は痛い。
猛烈な痛みだけが残った。
空を見上げて、蜂に悪態をつく。
「くそっ、くそ~。」 「蜂のやろう。」
「今度会ったら、ぶっ飛ばしてやる。」
痛みはますますひどくなる。涙が出てきた。
うるさく騒いでいたから、家の中から、いとこがでてきた。
「どうしたの?MOMO?」と聞かれれば、
なぜかますます涙が出る。
「うっ、うっ。蜂は刺したから、死ぬんだよね。死ぬんだよね。。。うえーっ。」
我ながら、馬鹿な少年であった。
続く。
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by toranokodomo | 2013-01-25 19:46 | 指定なし