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日本神話 その8 三種の神器

アマテラスもあまりのスサノオの狼藉に、天の石戸(いわと)

へ隠れてしまう。そうすると高天原も地上の葦原中国(あし

はらなかつくに)も真っ暗になり、夜の闇が明けなくなった。



そればかりか、あらゆるわざわいがおこってしまうという事

態になった。困った神々は集まり、タカミムスヒの子である

智恵の神であるオモイカネに良い案を考えさせた。



そこでまず常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)という鶏

に鳴かせ、そしてイシコリドメには鏡を作らせ、タマノオヤ

に勾玉(まがたま)を作らせ、アメノコヤネとフトダマには

占いをさせた。



次にそれらを飾りつけ、アメノコヤネが祝詞を読み、アメノ

タジカラオが石戸の陰に隠れて立つと、アメノウズメという

女神が桶を踏み鳴らしながら、胸もあらわに踊り始めた。



するとすべての神が笑い出したので、石戸の中のアマテラス

が「何が起こったのだろう」と思い、石戸をほんの少し開け、

「私がこもっているので真っ暗のはずなのに、なぜアメノウ

ズメが踊り神々が笑っているのか」と尋ねた。



アメノウズメが「あなたより尊い神が現れたので、皆で笑っ

て遊んでいたのです」と答えアヤノコヤネとフトダマが鏡を

アマテラスに見せた。



鏡の中に自分の姿をみて不思議に思って、もう少し戸から出

ようとしたところでアメノタジカラオはアマテラスの手を取

り外へ引き出した。



すると真っ暗だった高天原も葦原中国も明るくなった。



これらの神はホノニニギが下るときに一緒に下る神である。

そしてそれらの神は、いずれも朝廷の中で祭祀の分野で活躍

する氏族の祖になっている。



たとえば、アメノコヤネは中臣氏の祖、イシコリドメは鏡作

連(かがみつくりのむらじ)の祖、フトダマは忌部氏(いん

べ)の祖といったようにである。



またアマテラスを石戸から出すために作られた、鏡や勾玉も

ホノニニギが葦原中国に下るときに草薙の剣と一緒にくださ

れ、それが天皇家に伝わる最も重要な宝「三種の神器」とな

るのである。


 


 


 


by toranokodomo | 2011-07-16 21:40 | 日本の歴史  

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